公開: 2024年7月20日
更新: 2024年7月20日
18世紀のスコットランドの哲学者、倫理学者のアダム・スミスが出版した書物、「諸国民の富」によって、市場における自由な競争により、需要と供給の量の関係によって、商品(財と呼ばれます)の適正な価格が決まることが説明され、その財を市場に供給するする生産者側では、生産に投入される労働力と、生産量との間には、生産量が増加すると、単位生産量当たりの投入労力が少しずつ減少する性質があることが説明されました。これらの関係から、個々の生産者の目から見れば、供給量を増加させれば、利益も増加しますが、生産量が需要量を超えると、利益は減ることも分かってきました。
このような自由競争市場を基本とした経済の運営によって、需要と供給のバランスを、市場に参加する個人個人のリスクと合理的な判断に任せようとするのが資本主義経済です。そこでは、市場で交換される財(商品)と貨幣(お金)の関係が、重要な要素になります。そこでは、単に商品の材料の良さと機能だけでなく、商品加工の「できの良さ」も問題になります。同じ材料で、同じ機能をもつ商品であれば、「できの良い」商品の方が、高い価格で売れます。つまり、需要が多くなり、価格も高くなります。
江戸時代の経済も、米とお金を基本として、それと品物を市場で交換する経済でしたが、お金の重要性は少し低く、お米の重要性が高かったと言えます。その場合、お米と、売買する物の交換が難しくなるので、市場での取引量は少なくなります。また、江戸の町では、信用取引の量が多かったと言えます。つまり、商品が先に動き、その代金は、季節の終わりなど、後で動くことが多かったと伝えられています。資本主義の社会では、この商品と代金の支払いが、同時に行われるようになりました。このため、商品の値段は、「いつ」買うかによって変わるようになりました。